東北旅行記3. 「五能線 (1)」 [旅行記]

3月10日(土)、「あけぼの」を降りて秋田駅。覚悟はしていたが外は寒い。その寒い中で、時々やってくる列車をホームから撮影して回って時間をつぶす。しかし、701系とキハ40系ばかりなのは何とかならぬものか。

8時を過ぎたころ、ホームにキハ40系の4両編成が入ってくる。またキハ40...といっても、原型を留めないほど手が入れられた車両。2006年3月にデビューした「リゾートしらかみ くまげら」の編成だ。1号車側からキハ48 703・1521・1503・704の順。指定された4号車に乗り込む。この列車が臨時快速「リゾートしらかみ1号」で、定刻通り秋田駅3番線を08:24に出発する。

車内は一般車のキハ40系とは別次元だが、走り出せばキハ40系然とした走りっぷりである。響くエンジン音、揺れ、伸びないスピード。2010年12月デビューのハイブリッド車HB-E300系「青池」編成の走りや如何に。

最初の停車駅・追分駅では動きなし。次の八郎潟駅では一グループの乗車があったようだ。次の森岳駅まで時間があるので、ここで車内を見て回ることに。車両は前述の通り4両編成で、1・3・4号車の3両は普通車指定席、2号車はボックス席。普通車はリクライニングシートが2+2×10列配置され、定員は各40人(1号車は車椅子対応座席があるため1席欠の定員39人)。ボックスシートは4人用が8室で定員32人(うち6室は6人対応だが)。ということで定員計151人。この日は幸い天気に恵まれたが、まだまだ沿線は「冬」。観光シーズンにはまだ早かろう。乗客も少なめで、1号車6人、2号車10人、3号車3人、4号車8人。乗車率18%。

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リゾートしらかみ・くまげら編成、東能代駅にて。

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くまげら編成のシートはワインレッド。

現在の上野駅では「ふるさとの 訛りなつかし…」とはいかないが、さすがに秋田まで来れば、である。車掌さんに「そ」を聴く。雪の残る平野を北上しつつ、森岳駅を過ぎる。折角の複線・高規格なのに今ひとつ速度が伸びないのをもどかしく思いつつ、東能代駅に到着。これまで4号車が先頭であったが、ここでバック。それもあってか10分以上の休息である。秋田訛りの車掌さんもここで交代。

五能線の対向列車の到着を待って、東能代駅を09:30発。単線でもしばらく対向列車がやって来ないのだから、五能線は実にのんびりしている。能代の中心部にある能代駅で5分も停車するのだが、対向列車もないのに一体何故。謎は解けないまま09:40発。気がつけば秋田を出てから1時間以上経っているではないか。

能代を出た時点で再び車内をチェック。1号車10人、2号車21人、3号車6人、4号車8人で計45人、乗車率30%にUP。2号車ボックス席は実に賑やかな車両に変わっていた。

東北旅行記2. 「北へ」 [旅行記]

上野19:03発の寝台特急「北斗星」に乗車...しない。「北斗星」は登場から20年以上を経てもなお人気列車のようで、取り巻きの群衆が多い。その中に混ざって発車を見送る。地元の北海道に帰るのか、東京土産を抱えた人々。あるいは北海道旅行を楽しむのであろう人々。...などと羨ましげに眺めているが、今回は津軽海峡を越えはしない。現実に戻る。

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寝台特急「北斗星」。

夢の北海道行き(大袈裟である)を見送ってから2時間、上野駅構内で過す。今回乗るのは寝台特急「あけぼの」。3月の改正以降も北斗星とともにのこるブルー・トレインの一つだ。20:49ごろ、客車を先頭に推進運転で13番線に入線。「北斗星」のときよりは減ったもののやはり多い群集に混ざって、乗車前の撮影タイム。

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「あけぼの」牽引機EF64 1031。

先頭の機関車はEF64 1031。客車の先頭は電源車カニ24 102。次位から寝台車で、先頭側からオハネフ24 12(8号車)、スロネ24 553(7号車)、オハネ24 555(6号車)、オハネ24 553(5号車)、オハネフ24 25(4号車)、オハネ25 211(3号車)、オハネ25 216(2号車)、オハネフ24 27(1号車)。計10両編成だ。7号車・スロネ24形550番台はA寝台「シングルDX」(11室)、6-5号車・オハネ24形550番台はB寝台「ソロ」(各28室)で、いずれも91年から連結されている個室車両。この3両以外の5両は昔からの開放型寝台車。オハネ25形は定員32人、オハネフ24形は車掌室があるので定員30人。4-2号車は通常のB寝台だが、両端の8・1号車はアメニティを省略した(ただ寝台があるだけ)だが格安の「ゴロンとシート」である(1号車は女性専用車)。自分は8号車に乗車。

汽笛一声、上野21:15発。発車からしばらく、通路に備え付けの簡易イスに腰掛け、東京の夜景を眺める。家路を急ぐ人々の目線をひきながら、いくつかの駅が流れてゆくと、次の停車駅大宮に到着。大宮21:40発で、数人の乗車がある。ゴロンとシートの車内はほぼ定員どおりの繁盛である。出張なのかサラリーマンが多い印象だが、それよりも明らかに同業者と判る人が圧倒的。そんな「あけぼの」、随分前から廃止の噂がある列車だが、なぜか一方で新型車両導入の話も聞く。一体どっちだ、だがこの日の車内を見る限りでは後者に1票を入れておこうか。

ゴロンとシートは通常の特急料金と同じためか、帰宅途中のサラリーマンと思しき方が高崎駅で下車。横になりながら帰宅、とそのような使い道があるのかと感心する。高崎22:48発。

高崎線から上越線に移り、列車は引き続き北上。「トンネルを抜けると、そこは雪国」...と思いきや、群馬県側でも既に外は雪景色である。国境手前の水上駅で4分運転停車し、水上23:46発。トンネルを抜けてもなお雪国であるが、困ったことに、車両の屋根に雪が落ちる音だと思うが、ドサッドサッと騒音が響く。上段にいるので、かなりの睡眠妨害である。

とはいえ少し意識がなくなっていたようで、長岡駅に停車したショックで目が覚める。2度目の運転停車で、01:06着。機関車の付替え作業があり、ここまで牽引してきたEF64からEF81に交代する。後で確認すると、長岡からの牽引機はEF81 136であった。停車時間はやけに長く、01:44発。

この後新潟県内は寝ながら通過。新津駅(運転停車)・村上駅・あつみ温泉駅と停車していたはずだが気付かない。鶴岡駅に停車しているところで一旦目が覚める。鶴岡04:34発。次に気がつくとすでに秋田県入り。羽後本荘駅を出発するところであった。羽後本荘06:01発。外は薄明るい。車窓には荒涼たる海岸が広がっていた。日本海の厳しさを思わせる。

そして、支度をしているとあっという間に秋田駅に到着。06:38着。ここで下車し、引き続き青森へと向う「あけぼの」を見送る。

秋田駅。そう、今回の東北旅行の起点である。いざ出発。

東北旅行記1. 「東へ」 [旅行記]

3月9日(金)、朝ゆっくりと起床して出発。最寄の駅から岡崎行き普通132F(311系G7編成+313系Y42編成)に乗車して、刈谷で09:13発の豊橋行き新快速2314F(313系Y113編成)に乗り換え。この旅は、東海道本線をひたすら東へ向うところから始まった。

豊橋09:45着で、09:49発930M(311系G13編成)に乗り換え。そして終点の浜松には10:25着で、すぐに乗り換えて10:29発の興津行き普通764M(313系N9編成)で出発する。静岡を通り越して終点興津11:58着。東名間の中間地点を過ぎたあたりのここで、一旦休息する。


興津は東海道の宿場町。町のすぐ裏を鉄道が通り、駅は宿場町時代の町域を一歩外れた場所に置かれている...と宿場町を解説する看板を見ながら考える。町の東にある駅から町を通りぬけて西側に出る。するとそこには、小奇麗な木造の邸宅が立つ。西園寺公望の別荘「坐漁荘」だ。...といっても、ここで詳しく語るのは避けよう。あいにくの雨の中、荘を見物する。ちなみに、入場無料(だから立ち寄ったのは秘密だ)。

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西園寺公望別荘「坐漁荘」。

昼食をとって東海道本線の旅再起動。興津14:10発436M(313系T12編成)に乗車。3両編成だからなのか混雑して座れない。外は相変わらずの雨模様で、前回は綺麗に雄姿を見せていた富士山は影もなく。終点熱海で乗り換え。乗り換えだからなのかやけに乗客が多いので列車を1本見送って東京行き普通876M(E231系K-16編成)に乗車。グリーン車の誘惑に惑わされそうになったが、ボックスシートで我慢。

これで東京まで行くと東京17:27着。これでは東京で時間が余りすぎると思い、横浜駅で下車。京急に乗り換え、どこかで京急でも撮影するか、と思い立つ。それで列車に乗って手頃な場所を探そうとしたのだが、いざ乗ってみると結露(外は雨)で全く眺めなし。無意味に品川駅まで乗りとおした。

品川駅は夜のラッシュ。東京のラッシュの破壊力を忘れていた。全く迂闊である。それ以外に言いようがない。...人ごみに流されるまま上野駅に到着。

「SKY ACCESS」 (3) [旅行記]

「アクセス特急」(1126H)は成田空港駅1番線を定刻通り 11:51 に発車。続いて空港第2ビル駅を 11:54 に発車する。発車後から早速、アクセス特急の最高速度120km/hで走行。...と思っていたら速度を緩めて本線上に停止。良く見たら新根古屋信号場である。交換待ちなのになぜ本線上に?と思っていると、待避線側に成田空港行きの下りアクセス特急が到着。そして乗車中のアクセス特急は発車した。

この謎はすぐに解けた。次の成田湯川駅で5分停車。待っていると、駅の通過線を高速でAE形が通過していった。後続の上野行きスカイライナー14号だ。なるほど、待避線側に停まったアクセス特急はスカイライナーの通過待ちもしていたのか、と納得する。成田湯川 12:10 発。

往路で来た成田空港線(成田スカイアクセス)を高砂までひたすら戻るだけなのだが、残念なことが一つ。アクセス特急も最高速度120km/hと高速運行なのだが、乗車した京急1000形はトップスピードでの揺れが酷い。右・左・右・左と身体を揺らされながら進む。スカイライナーでは160km/h運転でもまったくそのような揺れがなかった、これはさすが特急型車両というべきか。

印旛日本医大、千葉ニュータウン中央、新鎌ヶ谷駅、東松戸と停車。駅間のたび、相変わらず右・左・右・左...と揺れが激しい。乗車した車両の位置が悪いのか、それとも編成全体なのか。地下の矢切駅では都営地下鉄の5300形が通過待ちをしているのが見える。これも羽田空港行きだ。車内はいつのまにか乗客が増えている。

新柴又駅を通過する手前で減速し、揺れが収まる。左手から京成本線が現れると合流駅の京成高砂駅。12:42 発。押上線に入る青砥駅では、ホームの向かい側に上野行き普通列車が接続しており、上野行きの便宜も図られていた。12:45 発。押上線内はノンストップ。

東京スカイツリーの手前で地下に潜ると、すぐに押上駅。ここから都営浅草線だ。そして列車種別もここから「エアポート快特」に変わる。ホームの向かい側では京急久里浜行きの普通列車が待っていた。後続に普通列車が待つ...、このエアポート快特は浅草線内の一部駅を通過するのであった。といってもわずか2分短縮されるだけだが、気分的には幾分か速い。

浅草、東日本橋、日本橋、新橋、大門、三田と停車。通過駅は6か所ある。通過駅では列車の到着を待つ列ができているのだが、この列車は無視していく。泉岳寺 13:13 発。ここから京急線に入り、地下から一気に高架線を上ると品川駅に到着。停車して客扱いをしていると...後ろに列車がぴったりとくっついて停車しているではないか。これが京急流の荒っぽい運転か。

JR線の壮大な品川駅に比べて酷く窮屈な品川駅を 13:16 発。京急線内でも120km/h運転で、しかも羽田までノンストップ。京急蒲田駅で本線から別れて空港線へ。蒲田駅は高架化工事たけなわで、上り線は高架化されたそうだが下り線は工事中。地上にある下り線と、上り線の高架橋、その上に重なる将来の下り線の高架橋が一見すると3重の立体交差を描いているようで、迫力のある光景である。

空港線を急ぎ足で進むと、いつしか地下に潜り羽田空港国際線ターミナル駅に到着。荷物の大きい人たちは基本ここで降りる。13:31 発。一駅だけながら地下を轟音で予想外の高速で進行して終点・羽田空港国内線ターミナル駅に到着。13:33 着。成田から羽田まで、所要時間は1時間42分。85.4kmの旅である。


国内線ターミナルだからなのか羽田だからなのかは知らないが、成田に比べて自分の存在が「場違い」ではない。空港内は、土産屋偏重のショッピングセンターといった趣で、残念ながらその方面に興味がないので横目に見ながら通過。結局またしても展望デッキ。

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着陸シーン。こんなに水しぶきをあげて大丈夫なのか...?

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最後に遠くに見える東京モノレールを撮って。

成田よりも早く「本業に帰れ」との声が聞こえたのでこの日2度目の空港見物は30分ほどで終了。羽田空港国内線ターミナル駅へと戻った。しかし、航空ファンの人の気分が少し理解できたような気がする雨の日なのであった(ただし、決して転向はしないだろう)。

「SKY ACCESS」 (2) [旅行記]

そして成田空港。1991年の第1ターミナル直下にある現・成田空港駅開業時に、「成田空港を目のかたきにしている過激派の格好のターゲットになるはずですが、駅設備も電車もまったく無傷、開通の3月19日以来京成スカイライナーも成田エクスプレスも平穏無事に毎日を過ごしており、だからめでたいのであります」(『鉄道ファン』91年6月号、p23)と皮肉られていたのだが、忘れさられたのか2010年の成田スカイアクセス開通時にはそんな皮肉すらなし…なのだが、その置き土産らしい検問所が改札を出たらいきなり登場。過激派ではないが焦るあせる。

空港なので当然大きな荷物を牽く人が多い、そんな中で軽装備の自分はひどく「浮いている」。検問の係員に察知されたとおり、目的は空港見物。国際線どころか飛行機そのものを利用したことがないので、空港は慣れない。ふらふらと歩いているといつのまにやら出国手続き窓口のある4階に到着。外国人の多いフロア、広い建物内、…異空間。こんなところに居ていいのか?と浮いた足取りでふわふわと歩き回る。

…展望デッキに避難(?)して、しばらく飛行機の離陸を見物。轟音とともに馬鹿でかい鉄の塊が消えていく…。飛行機を間近に見るのは初めてなので、少し感動。小雨の中、しばらく轟音を楽しんでいた。

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離陸する飛行機もなんなく撮影。鉄道写真ばかり撮っていると速く動くものに慣れるからか。

我に帰って(??)成田空港駅へと帰還。駅の電光掲示板に、「羽田空港国内線ターミナル行き」とある。成田→羽田を結ぶ...乗車決定。旅心をくすぐられ、成田空港から一路羽田空港へ向かうことになった。

やたらと広いが、時間帯のせいなのか乗客が非常に少なく閑散としたホームで列車を待つ。そうしていると、京急の編成がやってきた。折り返しの羽田空港行き「アクセス特急」である。

「SKY ACCESS」 (1) [旅行記]

東京遠征2日目、14日は乗る日。南千住駅近くの宿を出て、さっそく朝の通勤ラッシュに巻き込まれる。常磐線で南千住から日暮里まで出ることにしたのだが、3分ごとに15両編成の列車が次々とやってくるのにもかかわらず車内はどの列車も足の踏み場もないほど混雑。東京の通勤ラッシュの破壊力で早くも疲弊する。

押し出されるように日暮里駅で下車。京成日暮里駅に移動すると、かなり狭い駅であるのにもかかわらず迷う。日暮里から起点の京成上野駅へ向かおうとしたのだが、上野行きホームに下りる階段が少ない。この区間を利用する人は多くないはずだし、当然か。大部分の乗客が降りてしまい閑散とした列車で上野駅へと向かう。


上野からは「スカイライナー」で成田空港へ。両替窓口まである立派な窓口…の隣の券売機で指定券を購入し、列車の入場を待つ。乗車したのは09:21発のスカイライナー17号で、車両は勿論新型のAE形。きれいな車内、スタイリッシュな座席は好感。座席が固めなのがやや不満ながら、所要時間が短いので充分だということなのだろうか。各座席にコンセントがついているのに気づいたのは終着間際で、これはひどく損をした気分。

スカイライナー17号は京成上野駅1番線を定刻通り09:21に発車。7号車に乗車したのだが、日暮里駅からの乗車が多いのだろう車内は4人のみ。通路を挟んだ向かい側の席に座っていた男性2人組みは明かに韓国人。わりと大きな声で話しているので会話を聞いていたのだが、残念、「韓国語である」という以外に内容はさっぱり判らず。車内放送や電光掲示板に流れる外国語とあわせて、空港行き列車であることを実感させるに充分であった。

日暮里09:26発。前日に、7時代の日暮里駅でスカイライナーを待つ行列ができていたのを見たので、乗客は多いだろう…と踏んでいたがそうでもない。車内は15人になったが、空席が目立つ。最高速度160km/hのスカイライナーだが列車本数の多い京成線内ではそんな速度が出せるはずもなく、日暮里を出ると徐行運転のまま下町の上を高架線で通り過ぎていく。日暮里を4分前に出た臼井行き普通を千住大橋駅で追い越すとスピード・アップ…といってもまだ90km/h程度である。

本線と押上線が合流する青砥駅を09:35通過。線路の交差を避けるために重層とされた高架橋の迫力には、何度見ても圧倒される。複々線区間を50km/h程度のスピードでゆっくりと進んで京成高砂09:36通過。ここから本線から別れて成田空港線(成田スカイアクセス)へと入る。いよいよ高速区間に進入!…と思っていたのだが同じような徐行運転のままで拍子抜け。しかし一つ目の新柴又駅を通過すると本領発揮で、モーターをうならせて一気に加速していく。この区間の最高速度は130km/hでまだ列車最高速度ではないが、それでも通過駅が次から次へと窓を流れていく。

東松戸09:42通過。先行していた空港行きアクセス特急が待避している。新興住宅地が広がる台地をトンネルと高架線で突破していく。北総線列車を待たせていた新鎌ヶ谷駅も他の通過駅と同様に一瞬で通過(09:45通過)。新鎌ヶ谷を過ぎトンネルを一つ抜けると、ここから20km、やたらと幅の広い掘割の中を延々と走ることになる。

印旛日本医大(09:54通過)で退屈な掘割区間が終了。ここからついに最高速度160km/hの区間となる。これまで130km/hで30km/h速くなるだけなのだが、モーター音がさらに力強くなり、座席に押さえつけられる感触も強くなって、160km/h運転が実感できる。印旛沼干拓地の田畑が広がるだけの車窓で、車窓だけでは速さを実感しにくいが、ともかく速い。成田湯川09:57通過で、8.4kmを3分15秒で走破。湯川から単線となるが一切速度を落とさず進行。都心に帰るJR成田エクスプレスがカーブを曲がるのを遠くに見ていると、京成線左手にJR線が現れる。

台地を抜けていくと、単線の途中に新根古屋信号場がある。09:59通過で、羽田空港行きのアクセス特急が待避していた。空港地下へ至るトンネルに入ると押されるように急減速。そして定刻通り空港第2ビル駅に到着した。乗客はここで半減。10:03発、トンネルをそのままするすると進むと終点成田空港駅が見えてくる。10:05着。上野から成田空港まで64.1km、所要時間44分、表定速度は87.4km/h。都心から空港への「速さ」をアピールする看板が目に付いたが、乗車した感想は「遠い」…。

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京成上野駅で見つけたパンフレットとともに。

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「あさぎり 243.6km」 (5) [旅行記]

本厚木 18:46 発。小田急線内では完全に「ロマンスカー」の一部として認知されているよう。小田急線の各停車駅で、「はこね」や「さがみ」と同様に短距離の乗客を拾っていく。本厚木では1人下車して10数人を追加。町田では4人下車して5人が乗車してきた。町田 19:00 発。新宿へはあとわずかだ。

町田を出てから車内を巡ると、グリーン車は3号車3人・4号車4人。普通車は1号車33人・2号車32人・3号車1階2人・4号車1階1人・5号車38人・6号車28人・7号車28人。というわけで乗車率はそれぞれ10.9%と47.9%、合計すると乗客は169人・乗車率42.0%。家族連れ、個人の旅行客、サラリーマン、日常の用事の帰り、など顔ぶれはさまざまだが、皆疲れた表情だというのは共通していよう。

家路を急ぐ人々でごった返す駅のホームをいくつも通過していく。夕方ラッシュ時の列車群の中をすり抜けていくダイヤなのか、速度が伸びない。新百合ヶ丘駅で先行する新宿行各駅停車を追越すが、町田を8分前に出た急行に追いついてしまったようで、複々線区間に入っても相変わらず低速運転のままだ。工事中の複線区間に入るとさらに減速、代々木上原駅では停止寸前まで減速してしまう。そして、今ひとつの速度のまま残りの区間も進み、ゆっくりと新宿駅3番線へと滑り込んだ。19:29 着。これで「あさぎり」の旅復路も無事終了した。

新宿駅ホームには出迎え多数。入線と同時に隣の2番線から10000形HiSEが出て行った。RSEとともに、来る3月の改正で引退するという。ここまで乗車してきたRSEはというと、折り返しの 19:40 発の特急「ホームウェイ73号」として唐木田駅へと去っていった。

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前日の早朝、和泉多摩川駅で撮影した20000形RSE「あさぎり1号」。

「あさぎり 243.6km」 (4) [旅行記]

371系X1編成は沼津でしばらく休息した後、沼津 15:30 発の「あさぎり6号」で新宿へもう一度向かう。自分は沼津や隣の三島で休息し、特急「あさぎり8号」に乗り込むことにする。8号は小田急20000形RSEで運転。沼津 15:51 着の5号で沼津入りし、一度車両基地で準備を整えてから 17:20 頃に沼津駅3番線に入線した。当日は、2編成あるうちの第1編成であった。

「あさぎり」は沼津駅を、沼津終着の御殿場線普通列車の到着を待って定刻通り 17:30 に出発。来た道を戻るのだが、外は既に暗く車窓を楽しむことはできない。それを見越して2階建てのグリーン車ではなく普通車の席をとり、最後尾の1号車4番A席に陣取る。371系とは異なり普通車はハイデッカーでグリーン車と同様に展望が考慮されているが、夜なのであまり意味がない。4号車1階部分にセミコンパートメントがあるが、これもこの列車では活用されていない。

8号は沼津発「あさぎり」の最終便。観光客の多くは1本前の6号で帰るのか、車内は沼津発の時点では閑散としている。グリーン車にいたっては空っぽだ。裾野 17:41 発で、ここで三島行き普通(313系)と交換。最後尾なのでどれぐらい乗客があるのかは不明だが、1号車には1人乗車してきた。御殿場は 17:56 発。10数人の乗客が追加されてようやく車内は特急らしくなった。この時間帯は列車本数が多く、ここでも三島行き普通と交換した。

車内を回ると、グリーン車は3号車0人(定員32人)・4号車5人(32人)で乗車率7.8%。普通車は1号車23人(定員60人)・2号車23人(60人)・3号車1階2人・4号車1階1人(12人)・5号車26人(68人)・6号車21人(60人)・7号車25人(60人)で乗車率35.8%。計126人(定員402人)で全体の乗車率は31.3%。往路の3号と比べると非常に少ないが、顔ぶれは観光帰りが多いようだ。なお、4号車1階のセミコンパートメントには一人でこっそりと休んでいる人がいらっしゃった。静かな誰もいない空間で、まるで秘密基地のよう。

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2+1人がけ座席のグリーン車。

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2+2人がけ座席の普通車。

駿河小山 18:07 発、ここでは1号車は乗客の動きなし。次の谷峨駅をゆっくりと通過しているとき、ホームの反対側で三島行きの普通(313系+211系)が交換待ちをしているのが見えた。松田では乗客を3人追加。18:23 発で、JR御殿場線から小田急小田原線へと戻る。371系では対策がされているのでなかったのだが、20000形では連絡線のデットセクションで停電する。一瞬、車内が闇に包まれた。小田急線をしばらく走ると、複線の反対側を白い列車が流れた。沼津へ戻る「あさぎり7号」の371系だろう。

「あさぎり 243.6km」 (3) [旅行記]

本厚木駅を出ると、住宅の集積度が減るようで、田畑が増えていく。車窓を眺めていると、「あさぎり」にカメラを向けている人がいた―親子なのだがカメラを構えているのは母親で、子供は見ているだけ。ここでやっとこういう人たちを「ママ鉄」と呼ぶらしいことを思い出し、非常にすっきり。関東には多くいらっしゃるのだろうか。沿線の華なのか、列車に向かって手を振る子供をよく見かけたのも嬉しい。

小田急線は線形が悪いのか全体的にゆっくりと走るため、やたらと速いのに慣れていると少し不満になる。渋沢駅を過ぎると急に車窓に山が映る。山地を抜けて松田の住宅地に出たかと思うと、さらに減速。新宿行きの「あさぎり4号」とすれ違ったので、これを待っていたのかと思ったが、次の新宿行き急行ともすれ違った。速度を落としてまず上下線の渡り線をわたり、続いて右手にそれて小田急線・御殿場線の連絡線を上る。左手に両線の立体交差が見えると、御殿場線に間もなく合流。JR松田駅の1番線に滑り込む。列車全体から20数人が下車しただろう。

松田 11:29 発。ここから終点までJR御殿場線を進む。幹線から支線へと各が落ちるのが、ジョイント音が増える(レールの継ぎ目が増える)のでよく判る。そして高速化されていないので、山北駅のような交換駅は速度を落として通過する。松田からしばらく酒匂川沿いを少しずつ登っていたが、山北を過ぎると谷が深くなる。トンネルをいくつも抜け、カーブの多い線路を走ると、駿河小山駅に到着。ここまで来ると富士山がはっきりと見えてきた。この駅でも20人ほど下車したようだ。11:42 発、ここで国府津行きの普通(313系2連)と行き違い。

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富士山を映す車窓。富士山の上に橋が架かった。

引き続き鮎沢川(酒匂川)沿いを登るが、地形が徐々になだらかになっていく。足柄駅を過ぎると富士山の東側斜面へと進入。ゆるやかな斜面に住宅地が広がるが、所々から富士山が頂上まで綺麗に見渡すことができた。富士山に夢中になっていると御殿場駅に到着。予想通り多くの降車客があり、グリーン車からも数人が降りていった。6号車は御殿場から沼津まで自由席となるので、ホームの6号車前には数人が待機していたようだ。閑散区間の増収策はあたっていると思えるのだが、如何に。

御殿場 11:55 発。ホーム反対側に沼津行普通(313系2連)が待機していたが、乗り継いだ乗客はあるのだろうか。御殿場から先は、富士山東麓の斜面を沼津まで下っていく。線形が良いようで、所々高速で運転。車内がよく揺れ、ジョイント音がせわしくなる。途中岩波駅で国府津行き普通(313系2連)と交換。気がつけば裾野駅に到着していた。ここでも20人ほど下車。裾野 12:08 発。

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普通車指定席の座席。

最後にもう一度車内をチェック。グリーン車は3号車14人・4号車11人で計25人(乗車率39.1%)、普通車は1号車41人・2号車24人・3号車4人・4号車8人・5号車21人・6号車11人・7号車16人で計125人(乗車率36.5%)。閑散としているとは言えず、廃止水準には達していない印象を受ける。廃止されると聞けば、御殿場以降はそんなに乗客が少ないのか...と思うのだが、繁忙期+記念乗車組を差し引いた普段の様子はどうであったのだろうか。相変わらず高速運転なので、車内を巡るうちにあっというまに終点沼津駅まで到達。12:18 着、1時間58分の「あさぎり」の旅第1弾が無事終わった。

「あさぎり 243.6km」 (2) [旅行記]

グリーン車サロハ371形は3・4号車に連結。1階が普通車指定席で2階がグリーン車指定席という構造である。2階部分には、1人がけ+2人がけの座席が10列並ぶ(1人がけ座席が1つ欠けているので定員32人)。そのうち、4号車の3番D席があたった―2人がけ座席の窓側だ。

グリーン車なだけあって座席はゆったり、背もたれは過剰なほど後ろへと倒れる。背面テーブルは大型で申し分ない。荷物を座席の上に上げようと思うと...荷物棚はなし。天井が低く荷物棚のスペースがとれないのである(客室出入口脇に荷物置き場はあるが、ほとんど使われていない)。荷物を荷物棚にしまおうと荷物を持ち上げている人を何人も見たが、皆すぐに気づく―そう、そこは荷物棚ではなく間接照明なのである。

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グリーン車の一人がけ座席。

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グリーン車車内。ダブル・デッカーのため天井が低い。

特急「あさぎり3号」は、定刻どおり 10:20 に新宿駅3番線を発車した。早速グリーン車車内の様子をチェック。3号車は22人、4号車は23人(自分含む、以下同じ)の乗客がおり、乗車率は70.3%と高め。親子連れの旅行客、高齢者のグループなどさまざまだが、個人の記念乗車と思しき人も多々。自分と同じように車内を回る人もいる。

列車は新宿駅出発後しばらく低速運転を続ける。代々木上原駅からの複々線化工事中の区間を梅ヶ丘駅で脱し、複々線区間に入ると本領発揮のようで高速運転に。多摩川を渡るとき、遠くの山の向こうに富士山がのぞいているのが見えた。

席についてゆっくりしていると、後ろの席に座っている親子連れ3人の会話が耳に入ってくる。子供は勿論だが、母親がやけに鉄道に詳しい。こういう人のことを何と呼ぶのだったか...と考えてみるのだが、時流に疎いからなのか容易に浮かばず。しばらく頭を高速で回転させた。

小田原線は登戸駅で再び複線に。次の向ヶ丘遊園駅で先行していた小田原行き急行を追い越すが、その後速度を落としてしまう。本厚木行き各駅停車が頭を抑えていたようで、新百合ヶ丘駅でそれを追い越した。カーブが多く速度があまり伸びないまま町田駅に到着、新宿から27分。グリーン車でも乗客の動きがあり、後ろの席の親子連れはここで下車、替わりに別の人が座った。グリーン車車内は3号車26人・4号車30人となり、乗車率87.5%とほぼ満席に。10:48 町田発。


最乗車率区間と踏んで車内全体をチェックすることに(眠気覚ましでもある)。1号車62人(定員60人)・2号車55人(58人)・3号車1階18人(満席)・4号車1階18人(満席)・5号車64人(68人)・6号車53人(定員60人)・7号車56人(60人)(※いずれも幼児やデッキで立つ乗客を含む)と、普通車だけで計382人・乗車率95.3%で空席はほぼなし。グリーン車とあわせると計406人・乗車率94.1%の好成績であった。さすが繁忙期だけのことはある。

途中海老名駅で本厚木行き各駅停車を追い越したはずだが、気づいていない。そして車内を回って席に戻ると、本厚木駅に到着した。グリーン車からも若干降車客を確認。本厚木 11:05 発。

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