「あさぎり 243.6km」 (3) [旅行記]

本厚木駅を出ると、住宅の集積度が減るようで、田畑が増えていく。車窓を眺めていると、「あさぎり」にカメラを向けている人がいた―親子なのだがカメラを構えているのは母親で、子供は見ているだけ。ここでやっとこういう人たちを「ママ鉄」と呼ぶらしいことを思い出し、非常にすっきり。関東には多くいらっしゃるのだろうか。沿線の華なのか、列車に向かって手を振る子供をよく見かけたのも嬉しい。

小田急線は線形が悪いのか全体的にゆっくりと走るため、やたらと速いのに慣れていると少し不満になる。渋沢駅を過ぎると急に車窓に山が映る。山地を抜けて松田の住宅地に出たかと思うと、さらに減速。新宿行きの「あさぎり4号」とすれ違ったので、これを待っていたのかと思ったが、次の新宿行き急行ともすれ違った。速度を落としてまず上下線の渡り線をわたり、続いて右手にそれて小田急線・御殿場線の連絡線を上る。左手に両線の立体交差が見えると、御殿場線に間もなく合流。JR松田駅の1番線に滑り込む。列車全体から20数人が下車しただろう。

松田 11:29 発。ここから終点までJR御殿場線を進む。幹線から支線へと各が落ちるのが、ジョイント音が増える(レールの継ぎ目が増える)のでよく判る。そして高速化されていないので、山北駅のような交換駅は速度を落として通過する。松田からしばらく酒匂川沿いを少しずつ登っていたが、山北を過ぎると谷が深くなる。トンネルをいくつも抜け、カーブの多い線路を走ると、駿河小山駅に到着。ここまで来ると富士山がはっきりと見えてきた。この駅でも20人ほど下車したようだ。11:42 発、ここで国府津行きの普通(313系2連)と行き違い。

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富士山を映す車窓。富士山の上に橋が架かった。

引き続き鮎沢川(酒匂川)沿いを登るが、地形が徐々になだらかになっていく。足柄駅を過ぎると富士山の東側斜面へと進入。ゆるやかな斜面に住宅地が広がるが、所々から富士山が頂上まで綺麗に見渡すことができた。富士山に夢中になっていると御殿場駅に到着。予想通り多くの降車客があり、グリーン車からも数人が降りていった。6号車は御殿場から沼津まで自由席となるので、ホームの6号車前には数人が待機していたようだ。閑散区間の増収策はあたっていると思えるのだが、如何に。

御殿場 11:55 発。ホーム反対側に沼津行普通(313系2連)が待機していたが、乗り継いだ乗客はあるのだろうか。御殿場から先は、富士山東麓の斜面を沼津まで下っていく。線形が良いようで、所々高速で運転。車内がよく揺れ、ジョイント音がせわしくなる。途中岩波駅で国府津行き普通(313系2連)と交換。気がつけば裾野駅に到着していた。ここでも20人ほど下車。裾野 12:08 発。

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普通車指定席の座席。

最後にもう一度車内をチェック。グリーン車は3号車14人・4号車11人で計25人(乗車率39.1%)、普通車は1号車41人・2号車24人・3号車4人・4号車8人・5号車21人・6号車11人・7号車16人で計125人(乗車率36.5%)。閑散としているとは言えず、廃止水準には達していない印象を受ける。廃止されると聞けば、御殿場以降はそんなに乗客が少ないのか...と思うのだが、繁忙期+記念乗車組を差し引いた普段の様子はどうであったのだろうか。相変わらず高速運転なので、車内を巡るうちにあっというまに終点沼津駅まで到達。12:18 着、1時間58分の「あさぎり」の旅第1弾が無事終わった。

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