東北旅行記2. 「北へ」 [旅行記]

上野19:03発の寝台特急「北斗星」に乗車...しない。「北斗星」は登場から20年以上を経てもなお人気列車のようで、取り巻きの群衆が多い。その中に混ざって発車を見送る。地元の北海道に帰るのか、東京土産を抱えた人々。あるいは北海道旅行を楽しむのであろう人々。...などと羨ましげに眺めているが、今回は津軽海峡を越えはしない。現実に戻る。

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寝台特急「北斗星」。

夢の北海道行き(大袈裟である)を見送ってから2時間、上野駅構内で過す。今回乗るのは寝台特急「あけぼの」。3月の改正以降も北斗星とともにのこるブルー・トレインの一つだ。20:49ごろ、客車を先頭に推進運転で13番線に入線。「北斗星」のときよりは減ったもののやはり多い群集に混ざって、乗車前の撮影タイム。

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「あけぼの」牽引機EF64 1031。

先頭の機関車はEF64 1031。客車の先頭は電源車カニ24 102。次位から寝台車で、先頭側からオハネフ24 12(8号車)、スロネ24 553(7号車)、オハネ24 555(6号車)、オハネ24 553(5号車)、オハネフ24 25(4号車)、オハネ25 211(3号車)、オハネ25 216(2号車)、オハネフ24 27(1号車)。計10両編成だ。7号車・スロネ24形550番台はA寝台「シングルDX」(11室)、6-5号車・オハネ24形550番台はB寝台「ソロ」(各28室)で、いずれも91年から連結されている個室車両。この3両以外の5両は昔からの開放型寝台車。オハネ25形は定員32人、オハネフ24形は車掌室があるので定員30人。4-2号車は通常のB寝台だが、両端の8・1号車はアメニティを省略した(ただ寝台があるだけ)だが格安の「ゴロンとシート」である(1号車は女性専用車)。自分は8号車に乗車。

汽笛一声、上野21:15発。発車からしばらく、通路に備え付けの簡易イスに腰掛け、東京の夜景を眺める。家路を急ぐ人々の目線をひきながら、いくつかの駅が流れてゆくと、次の停車駅大宮に到着。大宮21:40発で、数人の乗車がある。ゴロンとシートの車内はほぼ定員どおりの繁盛である。出張なのかサラリーマンが多い印象だが、それよりも明らかに同業者と判る人が圧倒的。そんな「あけぼの」、随分前から廃止の噂がある列車だが、なぜか一方で新型車両導入の話も聞く。一体どっちだ、だがこの日の車内を見る限りでは後者に1票を入れておこうか。

ゴロンとシートは通常の特急料金と同じためか、帰宅途中のサラリーマンと思しき方が高崎駅で下車。横になりながら帰宅、とそのような使い道があるのかと感心する。高崎22:48発。

高崎線から上越線に移り、列車は引き続き北上。「トンネルを抜けると、そこは雪国」...と思いきや、群馬県側でも既に外は雪景色である。国境手前の水上駅で4分運転停車し、水上23:46発。トンネルを抜けてもなお雪国であるが、困ったことに、車両の屋根に雪が落ちる音だと思うが、ドサッドサッと騒音が響く。上段にいるので、かなりの睡眠妨害である。

とはいえ少し意識がなくなっていたようで、長岡駅に停車したショックで目が覚める。2度目の運転停車で、01:06着。機関車の付替え作業があり、ここまで牽引してきたEF64からEF81に交代する。後で確認すると、長岡からの牽引機はEF81 136であった。停車時間はやけに長く、01:44発。

この後新潟県内は寝ながら通過。新津駅(運転停車)・村上駅・あつみ温泉駅と停車していたはずだが気付かない。鶴岡駅に停車しているところで一旦目が覚める。鶴岡04:34発。次に気がつくとすでに秋田県入り。羽後本荘駅を出発するところであった。羽後本荘06:01発。外は薄明るい。車窓には荒涼たる海岸が広がっていた。日本海の厳しさを思わせる。

そして、支度をしているとあっという間に秋田駅に到着。06:38着。ここで下車し、引き続き青森へと向う「あけぼの」を見送る。

秋田駅。そう、今回の東北旅行の起点である。いざ出発。

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