「中国記」 (2) [旅行記]

芸備線350Dを降りてしばらく待つと、木次線1441Dが到着。車両はロングシートのキハ120-1。旅行客2人しか降りてこなかった。折り返しの1450Dに乗車し、09:26に備後落合を離れる。この便も乗客は旅行客2人だ。

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備後落合駅到着直後のキハ120-1。

広島・島根県境を越える木次線の出雲横田~備後落合間は1日わずか3往復の運転で、1450Dは9時代ながら横田方面への始発列車である。備後落合を出てからは西城川沿いを30‰の勾配を低速で上っていく。県境を過ぎると三井野原駅で、ここを少し過ぎた地点から一転して下り始める。国道の「奥出雲おろちループ」を眺めつつ、トンネルと急カーブを多用する線路を下り続け、一度スイッチバックをした後に出雲坂根駅に到着。妙にきれいな駅舎の脇では、後から来るトロッコ向けと思しき昼食の準備をしていた。さらに下って出雲横田駅に、備後落合から約1時間で到着。ここまで29.6kmなので、表定速度は30km/h程度という低速運転だ。出雲横田は仁多郡奥出雲町の中心地で、ここで3人乗客があった―そう、それまでの4駅は乗客の動きはなかった。

備後落合~出雲横田間は乗車目当ての旅行客が主体なわけで(トロッコも)、現地の乗客が少なくもはや不要線だろうか。1日3往復の便は時間的に通学輸送は考慮されてはいない。三井野原から先は並行するバスがあるそうで、通学輸送はバスに任せているのだろう。でも広島県側の油木は?と思うが、需要がないのかな。トロッコがなければ廃止されてもおかしくない区間だ。

『砂の器』で有名な亀嵩駅も乗降客なし。出雲三成駅でにぎやかなトロッコ「奥出雲おろち号」と交換。乗客が1人増え6人に。三成からは斐伊川を離れ、20‰ほどの勾配を上り、奥出雲町と雲南市の境界の下久野トンネルを頂点に再び下り始める。出雲八代駅で乗った乗客が、終点木次の一つ手前で降りたので、木次駅には計6人の乗客で到着した。定刻通り11:19。

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木次駅で待機中のキハ120-1。隣はキハ120-207。

木次発宍道行きの1452Dは、列車番号こそ違うものの同じ車両で運行する。12:10発、乗客は6人だが一部が入れ替わっている。雲南市の中心・木次は斐伊川沿いの町で、斐伊川沿いに走れば出雲市へと出るが、木次線はあえて山を越えて宍道駅へ向かっている。木次から丘を越えると旧大東町の中心・出雲大東駅。ここで6人乗車。次の幡屋駅で4人が降りて、旧加茂町の中心地・加茂中駅でもう1人降りた。ここから雲南市・松江市の境界の山を越えて、宍道駅に12:44到着。乗客は7人だった。

ここで木次線スタディー。宍道~木次間は1日10.5往復(上りが11本)、木次~出雲横田間が下り6本・上り9本だ。出雲横田~備後落合間は1日3往復。宍道~木次間は最速33分で、21.1kmなので表定速度は38.36km/h。木次~出雲横田間は最速48分・31.2kmで表定速度39.00km/h。一方、出雲横田~備後落合間は最速57分・29.6kmなので、表定速度は31.16km/hでやや遅い。
ここで再び、国鉄末期の1986年11月改正の時刻表。宍道~木次間では、今とほぼ同じ時刻に1日10往復運行。木次~出雲横田間もほぼ同様で、下り7本・上り8本の運転だ。だが決定的に違うのは出雲横田~備後落合間で、現在と異なり通学輸送向けと見られる列車があることだ。本数は1日6往復と、早朝に八川発木次方面行きと油木発落合行きの区間便がある。普通列車の所要時間は大体現在と同じといったところ。忘れてはならないのが広島~松江・米子間の急行「ちどり」(1日1往復)で、木次線唯一の優等列車。とはいえ木次線内では「隔駅停車」(宍道・加茂中・大東・木次・下久野・三成・横田・坂根・落合に停車)で、最速でも2時間14分かかる。ちなみに、広島・米子間でも約5時間半もかかる。

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