「第一次北陸遠征」 (2) [旅行記]

美濃太田を出ると高山線は山間部に突入、エンジン音を響かせて飛騨川沿いを登っていく。車窓を流れる飛騨川に夢中になっているのが私だが、8号車にいる他の乗客はパソコンをかたかたと動かしているのであった。ああ場違い。時々聞こえてくる携帯電話で車窓を写す音が救いではあるが。

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晴天の空を映す飛騨川。

引き続き高山線は単線なので時折列車の交換がある。中川辺駅で美濃太田行き普通(1710D)と、上麻生駅で特急ひだ4号とそれぞれ交換するが、乗車中の ひだ3号は運転停車をしない。一部の特急が停車する白川口駅・飛騨金山駅を通過し、下呂の手前にある少ヶ野信号場で美濃太田行き普通(1712C)と交換して下呂駅に滑り込む。

言うまでもないが下呂は有名な温泉地。あまり多くなかった車内の観光客はおおむねここで降りる。一方で9号車を中心に乗車も多数である。ひだ3号は下呂駅1番線を10:14発。下呂発時点で乗客は、10号車(グ)7人、9号車(自)16人、8号車(指)13人、6号車(指)・5号車(グ・指)・4号車(指)各0人、3号車(自)10人、2号車(指)8人、1号車(指)14人、計68人。だが、観光客皆無の吾等が8号車は微動だにしていないのである。

下呂を出るとしばらくゆっくり進む。一つ先の禅昌寺駅で ひだ6号と交換するためであった。一部特急の停車駅である飛騨萩原駅・飛騨小坂駅・久々野駅は通過。その久々野で美濃太田行き普通(1714C)した。高山線はここまで登ってきたが、久々野の先でトンネルを抜けると一転して下り勾配となる。ここが宮峠。分水嶺でもあるため、車窓に映る川が今まで進行方向と反対に流れていたのに、トンネルを抜けると進行方向と同じ方向へ流れていく。この川(宮川=神通川)を下流へ向うと、終点富山駅。

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普通車の座席(キハ85-1102)。1・2次車は奇数車・偶数車でモケットの色を分けている(奇数はオレンジ系)。

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同じ普通車でも3次車の座席はグレー系に変わった(キハ84-303)。

下呂周辺ではほとんど無かった雪だが、高山まで来ると外は銀世界である。雪で徐行したのか高山駅には2分遅れて10:57着。ここで6号車から1号車までの後ろ6両を切り離し、10~8号車の3両編成と身軽になる。切り離し作業は連結を解除して幌を手動ではずすだけで極めてスムーズ。5分もかからないので、定刻通り高山駅1番線を11:00発。5分の停車時間を見込んで喫煙休憩にあてていた人達は、意表を突かれたに相違ない。

高山発の時点で車内は、10号車(グ)4人、9号車(自)15人、8号車(指)12人の計31人で半減以下になった。飛騨国府駅で高山行き普通(1852D)と交換して飛騨古川へ。飛騨古川駅1番線11:14発。古川も観光地だがこの列車には需要はほぼなさそう。8号車からは4人下車して2人乗車してきた。車内全体は10号車(グ)4人、9号車(自)13人、8号車(指)10人で計27人。

県境近くの雪深い山中を宮川に沿って下っていく。途中打保駅で一旦運転停車(11:38発)して高山行き普通(1828D)と交換。初めての運転停車であった。JR東海とJR西日本の境界である猪谷駅では運転手・車掌が交代。特に何かある町ではなさそうだが、防雪仕様の乗客が1人自由席から降りていった。2分遅れて猪谷駅を11:53発。

猪谷を出て宮川沿いを笹津駅まで下りてくると富山平野に出てくる。平野部の田園地帯なのだろうが、外は一面の雪で山間部にいたときよりもはるかに眩しい。笹津から真っ直ぐ北へ向うのが富山への最短経路なのだが高山線は西へ反れて八尾の町へ立ち寄る。途中、随分と川幅が広くなった神通川を渡るが、八尾側の地表が一段高くなっているために川を渡るとすぐに崖に開いたトンネルに入るのは、何か不思議な感じがする。

2分遅れたまま越中八尾駅12:12発。忙しそうにパソコンを動かしていた用務客2人組み2組が8号車から降りていき、車内は静かになった。終点富山到着時点の乗客は10号車(グ)4人、9号車(自)12人、8号車(指)6人の計22人。DE10が待機中の速星駅を過ぎ、左手に北陸線、右手に建設中の北陸新幹線に挟まれながら神通川を再度渡ると富山駅に到着。2分遅れて、富山駅1番線に12:28着。名古屋~富山間256.1kmを3時間45分かけて走り抜けたことに。ちなみに、名古屋駅を14分後に発車した特急しらさぎ3号が、ひだ3号の富山到着1分後にこれも富山に到着している。何とか先着した ひだ は健闘と言えよう。…いやむしろ、福井・金沢と遠回りしている しらさぎ の方が健闘しているのか…。

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